社会
『サピエンス全史』
近代世界は帝国主義・科学技術・資本主義のフィードバック・ループによって、爆発的に進歩した。ホモ・サピエンスの過去、現在、未来を俯瞰するかつてないスケールの大著。
池上彰
こういう人類史の本で幸せかどうかを問題に立てる本にはじめて出会った
出所:『サピエンス全史』の帯
【同様にこの本を紹介していた著名人】
けんすう、堀江貴文、杏、西村博之、カズレーザー 、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ
『アンネの日記』
ユダヤ系ドイツ人の少女アンネが、ナチスの「ユダヤ人狩り」から逃れるため家族と共に二年間潜んだアムステルダムの “隠れ家” 。彼女はそこで、架空の友人キティーに宛てて日記を綴りました。
池上彰
イスラエルが、いまも存続し、中東に確固たる地歩を築いているのは、『アンネの日記』という存在があるからだ、というのが私の見方です。
出所:『世界を変えた10冊の本』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
上白石萌音
『聖書』
キリスト教、ユダヤ教の教典、正典であり、イスラム教でも教典とされている。(Wikipediaより)
池上彰
欧米文化の基礎を築いた
出所:『世界を変えた10冊の本』
『コーラン』
『コーラン』はイスラム教の聖典。その中にはイスラム教を興したアラビア人マホメットの行動と、彼を通してえた神の天啓とが鮮かに写し出されている。当時のアラビア民話も織りこまれており、アラビア人の本質を理解する上で、本書は大いに役立つ。
池上彰
穏やかな経典だが過激派も生んだ
出所:『世界を変えた10冊の本』
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
仕事に没頭することが「天命」であり、神に選ばれた証であるとするプロテスタンティズムの「職業倫理」が、資本主義の「精神」へと転化し、近代資本主義を生み出していく歴史のダイナミズムを論証した社会科学の古典。
池上彰
マックス・ウェーバーのこの本は、大きな衝撃を与えました。強欲の資本主義の精神が、禁欲的なプロテスタントの倫理から生まれたというのですから、その驚きは当然でしょう。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『資本論』
ドイツ古典哲学の集大成とされるヘーゲルの弁証法を批判的に継承したうえで、それまでの経済学の批判的再構成を通じて、資本主義的生産様式、剰余価値の生成過程、資本の運動諸法則を明らかにした。(Wikipediaより)
池上彰
マルクスが『資本論』で描き出した資本主義社会は、まるでリーマン・ショック後の日本を予言したかのようでした。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『道標』
クルアーンのクトゥブ的な解釈とイスラムの歴史やエジプトの抱える社会的政治的諸問題の分析を通じて反世俗的で反西洋的なクトゥブの思想が体系化され、『道標』によって現在のジャーヒリーヤ論が主張された。(Wikipediaより)
池上彰
クトゥブの思想は、世界をテロの時代に変えてしまいました。(オサマ・)ビンラディンも、この書を読み、さらにはクトゥブの弟と出会ったことで、この思想を吹き込まれたとみられています。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『種の起源』
進化の研究を科学にし、進化が起こるメカニズムとして自然淘汰説を提唱。
池上彰
「地球上の生き物は神が創造した」と信じるキリスト教徒からは批判を浴びましたが、多くの学者から支持され、その後の遺伝学、生物学の飛躍的な発展の基礎を築きました。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『利己的な遺伝子』
動物や人間の社会で見られる、親子間の対立や保護行為、夫婦間の争い、攻撃やなわばり行動などがなぜ進化したかを、遺伝子の視点から解き明かす。
池上彰
リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』は、激しい論争を引き起こしました。すべての生き物は、遺伝子が次の世代の遺伝子を生み出す「機械」でしかないという主張は、人々に衝撃を与えたのです。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『雇用、利子および貨幣の一般理論』
資本主義の抱える大量失業と不安定な経済循環への処方箋として、雇用と有効需要、利子率と流動性とを組み合わせた「一般理論」を構想。現代経済学の出発点にして、今なお必読の古典。
池上彰
景気が悪くなったら、政府が公共事業などで支出を増やして経済を活性化させる。金利を下げて、企業の投資を活発化させる。
これらは、景気対策としての常識になっています。中学校の社会科で習う話です。しかし、かつては常識どころか、「とんでもない話」と考えられていたこともあります。それを世の中の常識にしてしまった本。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『資本主義と自由』
郵政改革、教育バウチャー、規制撤廃など絶対自由主義の政策の意味を説いた名著。
池上彰
フリードマンの学説はアメリカのみならず、イギリスなど各地に支持者を拡大。社会主義崩壊後の旧ソ連や東欧諸国では、資本主義化の指針になるほど影響力を持つようになりました。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『選択と自由』
フリードマンが本書で説く「急進的自由主義」は1980年代、レーガン米大統領やサッチャー英首相によって現実の政策になり、経済再活性化の基礎を築いた。
池上彰
彼の思想を、よりわかりやすく展開した本で、商業的には、こちらの方が成功を収めます。ベストセラーになったのです。
出所:『世界を変えた10冊の本』
小説
『君たちはどう生きるか』
貧困、いじめ、勇気、学問。今も昔も変わらないテーマに、人間としてどう向き合うべきか。
池上彰
ヒューマニズムに根差した良い本は、時代を超えて人々の心をつかむのです。
出所:Amazon
【同様にこの本を紹介していた著名人】
糸井重里、中田敦彦、宮崎駿
『沈黙の春』
自然を忘れた現代人に魂のふるさとを思い起こさせる美しい声と、自然を破壊し人体を蝕む化学薬品の浸透、循環、蓄積を追究する冷徹な眼、そして、いま私たちは何をなすべきかを訴えるたくましい実行力。三つを備えた、自然保護と化学物質公害追及の先駆的な本。
池上彰
私たちが知らないうちに、人間たちにとっての自然が変容してしまうのではないか。そんな危機感を早くから抱き、世に警鐘を鳴らす本を出版した人がいたことで、世界が大きく変わったことがありました。それをもたらした本が、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』です。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『眠れる美女』
波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女。
その傍らで一夜を過す老人の眠は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。
参考:東洋経済オンライン
『狭き門』
早く父を失ったジェロームは少年時代から夏を叔父のもとで過すが、そこで従姉のアリサを知り密かな愛を覚える。しかし、母親の不倫等の不幸な環境のために天上の愛を求めて生きるアリサは、ジェロームへの思慕を断ち切れず彼を愛しながらも、地上的な愛を拒み人知れず死んでゆく。
参考:東洋経済オンライン
『車輪の下で』
周囲の期待を一身に背負い猛勉強の末、神学校に合格したハンス。しかし厳しい学校生活になじめず、学業からも落ちこぼれ、故郷で機械工として新たな人生を始める。
地方出身の一人の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いたヘッセの自伝的物語。
参考:東洋経済オンライン
『転迷』
大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。
池上彰
正しく生きようという勇気が湧いてくる小説です
出所:『転迷』の帯
『KATANA』
古今東西、最新科学技術の成果は、真っ先に戦場にもたらされる。そして、今また一つ、新たな兵器が開発されようとしていた。
池上彰
本書が提示する近未来は、極めて現実的で、説得力にあふれている。
出所:『KATANA』の帯