NHKでジャーナリストとして活動後、フリーランスへ転身。「そうだったのか!池上彰の学べるニュース」など、地上波各局のニュース特番で、幅広いトピックを解説する。
社会学
『ビッグ・クエスチョン』
タイムトラベルは可能なのか、人間は地球で生きていくべきなのか。誰もが抱いている10の疑問に博士がわかりやすく答えた全人類への最良の贈り物。
池上彰
重要なのは答えではない。問いを立てる力だ。まさしく集大成
出所:本の帯
『黄禍論』
トランプ大統領を生み出した、アメリカ社会に100年以上根づく「人種主義的思考」の歴史をひもとく。
池上彰
アメリカでアジア系の人たちに対する暴行事件が相次いでいます。コロナ禍が影響していると指摘されますが、こうした危機的状況になると、アジア系の人たちに対する恐怖心が頭をもたげ 、差別が始まります。
そこには根強い「黄禍論」の存在があります。黄禍論とはどういうことかを学ぶのに最適です。
出所:池上彰さんが推薦する5冊
『いつもそばには本があった。』
本が大好きな哲学者と出版社の編集者による本をめぐるエッセイ。
池上彰
相手が語った本への愛に触発されて、こちらも別の本への愛着を語る。本についていつまでも語り尽くせる友人がいること の喜び。こんな友人を持ちたいと思いませんか。
出所:池上彰さんが推薦する5冊
『旧約聖書』
キリスト教、ユダヤ教の教典、正典であり、イスラム教でも教典とされている。(Wikipediaより)
池上彰
欧米文化の基礎を築いた
出所:『世界を変えた10冊の本』
『コーラン』
『コーラン』はイスラム教の聖典。その中にはイスラム教を興したアラビア人マホメットの行動と、彼を通してえた神の天啓とが鮮かに写し出されている。当時のアラビア民話も織りこまれており、アラビア人の本質を理解する上で、本書は大いに役立つ。
池上彰
穏やかな経典だが過激派も生んだ
出所:『世界を変えた10冊の本』
『イスラーム原理主義の「道しるべ」』
クルアーンのクトゥブ的な解釈とイスラムの歴史やエジプトの抱える社会的政治的諸問題の分析を通じて反世俗的で反西洋的なクトゥブの思想が体系化され、『道標』によって現在のジャーヒリーヤ論が主張された。(Wikipediaより)
池上彰
クトゥブの思想は、世界をテロの時代に変えてしまいました。(オサマ・)ビンラディンも、この書を読み、さらにはクトゥブの弟と出会ったことで、この思想を吹き込まれたとみられています。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『種の起源』
進化の研究を科学にし、進化が起こるメカニズムとして自然淘汰説を提唱。
池上彰
「地球上の生き物は神が創造した」と信じるキリスト教徒からは批判を浴びましたが、多くの学者から支持され、その後の遺伝学、生物学の飛躍的な発展の基礎を築きました。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『利己的な遺伝子』
動物や人間の社会で見られる、親子間の対立や保護行為、夫婦間の争い、攻撃やなわばり行動などがなぜ進化したかを、遺伝子の視点から解き明かす。
池上彰
リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』は、激しい論争を引き起こしました。すべての生き物は、遺伝子が次の世代の遺伝子を生み出す「機械」でしかないという主張は、人々に衝撃を与えたのです。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『還暦からの底力』
還暦後の人生を充実させる考え方を、歴史や旅から学ぶ。
池上彰
50代から新規事業に身を投じ、70代のいまも立命館アジア太平洋大学の学長を務める出口さんの元気の源はどこにあるのか。あなたが還暦前であっても、定年前であっても、生涯に渡って学び続け、いつまでもいきいきと生きていけるヒントが詰まっています。
出所:池上彰さんが推薦する5冊
『選択と自由』
フリードマンが本書で説く「急進的自由主義」は1980年代、レーガン米大統領やサッチャー英首相によって現実の政策になり、経済再活性化の基礎を築いた。
池上彰
彼の思想を、よりわかりやすく展開した本で、商業的には、こちらの方が成功を収めます。ベストセラーになったのです。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『米百俵』
「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」と論す。「米百俵の精神」を広く知らしめた傑作。
池上彰
「定額給付金」を発想する現代の政治家にこそ、読ませたい。
出所:本の帯
『生きがいについて』
1966年の初版以来、多くのひとを慰め力づけてきた永遠の名著。
池上彰
岡山県にある長島愛生園で精神科医としてハンセン病患者と関わる中、同じ人間なのにこうした病気に苦しむ人がいるのはなぜだろう、と考察する。(中略)非常に限定された環境で、一部の極端な人たちからの聞き取りで、生きがいについて分析したというのがこの本です。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『14歳の君へ』
中学生向けに友愛・個性・社会・幸福・人生など16のテーマで書いたエッセイ集。
池上彰
14歳に限らず、悩める人々を勇気づける書である。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『現代社会はどこに向かうか』
千年を単位とする視点をとることで、地球という閉鎖系に生きる人類が、一回限りの「大増殖期」を経て「安定平衡期」に向かうことを、本書では解説する。
池上彰
新書だからなのか、それとも80歳を超えた年齢のせいか、議論がちょっと雑駁になっている気もしましたが、文系の人間からすると、この大げさな物言いがたまらない。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『現代社会の理論』
情報化・消費化社会の現在と未来を考え、“自由な社会”の可能性を開く。社会学最新の基本書。
池上彰
見田氏がどんな理論家であるかを端的に理解できるのがこの本だ。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『気流の鳴る音』
メキシコ・インディオの「呪術師」の教えを、現代文明の呪縛から人々を解き放ち「今を生きる歓び」へと導く言葉として読み解くなど、社会学の領域を超えた過激な1冊。
池上彰
著者は東大助教授時代にメキシコに留学。そこで影響を受けた人類学者のカルロス・カスタネダの見解に触発され、理論が翼を持ってはばたいていく。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『FACTFULLNESS』
ファクトフルネスとは―データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
池上彰
読んでみたら実におもしろくて。すでに知っていることが多かったけれど、やっぱりみんなこういうふうに思い込んだり間違えて理解したりしているよね、と再認識したし、「こちらの国とあちらの国」というような言い方はついしがちなので、私自身、反省しきりでもありました。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
中田敦彦、バラク・オバマ、ビル・ゲイツ、本田圭佑
『統計でウソをつく法』
統計が読み書きの能力と同じぐらい必要になっている現在、「統計でだまされない」ためには、まず「統計でだます方法」を知ることが必要だ。
池上彰
出版年が古いために文中で掲載されている例も古いが、統計の解釈がいかに大事であるかがよくわかる。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
ビル・ゲイツ
『事実vs本能』
人々の目を曇らせる「本能」。その向こう側にある「事実」にたどり着くための必読書。
池上彰
あまりに残酷であったり、不都合であったりする事実には目を背け、本能に従いたがる。人間の弱さを衝く書だ。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『for four GAFA』
GAFAはなぜ、これほどの力を得たのか。GAFAは世界をどう支配し、どう創り変えたのか。GAFAが創り変えた世界で、僕たちはどう生きるか。この3つが本書のテーマである。
池上彰
この本をきっかけに、世の中でGAFAという言葉が市民権を持つようになったのです。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『ジェフ・ベゾス』
アマゾン創業者にして、20兆円超の個人資産で世界一の富豪となったジェフ・ベゾスとアマゾンに、トップジャーナリストが鋭く切り込む。
池上彰
創業当初いくら赤字を垂れ流しても、目標に向かって突き進んだ急成長の経営者の反省が見事に描かれる。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『フェイスブック 若き天才の野望』
26歳の天才CEOの成功と苦悩、そして野望を生き生きと描き出す。
池上彰
いくら高額の買収価格を提示されても会社を売らなかったことが成功の秘訣ではあるが、なかなかできることではない。「意志の力」という言葉を想起する。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』
データサイエンスを熟知した著者が、警告とともに今後の方向を提案する。
池上彰
アルゴリズムは、それをつくる人間のバイアスの存在に気づかないままできあがっている。確かにGoogleなどのアルゴリズムはしょっちゅう変わるから、管理者の事情がいろいろあるんだろうなと思う一方で、多くの人はこんなものだろうと所与の条件として受け入れてしまっている。
でもそれは実は非常に危険なことじゃないか、と気づかせてくれるのがこの本。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
多くの仕事がAIに代替される将来、読解力のない人間は失業するしかない…。気鋭の数学者が導き出した最悪のシナリオと教育への提言。
池上彰
実はAIは「意味」を理解することができない。人間こそが「意味」を読解できるはずなのだけれど、最近の子どもたちは教科書の文章を理解することができない。衝撃的な告発の書だ。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
中田敦彦
『データ資本主義』
人間はAIに代替されるのか、代替されるとすれば労働者と管理職のどちらなのか。人間の認知限界を前提として挑み、未来への希望を与えてくれる一冊。
池上彰
膨大なデータは市場を破壊するのではなく、市場に力を与えると著者は主張する。金融資本主義ではなく、データ資本主義は、どんな未来をもたらすのだろうか。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『民主主義の死に方』
欧州と南米の民主主義の崩壊を20年以上研究する米ハーバード大の権威が、世界で静かに進む「合法的な独裁化」の実態を暴き、我々が直面する危機を抉り出す。全米ベストセラー待望の邦訳。
池上彰
政治の世界で対立が生じた場合、選挙で決着をつける。私たちが常識とみなしてきたことが、実は対立や分断を激化させることになるのではないか。この際、自分なりに民主主義を定義する必要がありそうです。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
成田悠輔
『アメリカのデモクラシー』
現代の民主主義を考えるにあたって読み直すべき古典的名著。
池上彰
アメリカの民主主義がいかなるものかを分析し、いまもなおアメリカ政治を分析する上で欠かせない古典となっている。ここでトクヴィルは、「多数者の専制」という弱点を指摘している。これはまさに現代に対する予言となっている。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『多数決を疑う』
本書では社会的選択理論の視点から、人びとの意思をよりよく集約できる選び方について考える。多数決に代わるルールは、果たしてあるのだろうか。
池上彰
多様な意見を集約する方法は、多数決だけではない。「社会的選択理論」という視点から見ることが可能になるのではないか。民主主義を考える上で広い視野を与えてくれる。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
成田悠輔
『大衆の反逆』
スペインの哲学者、ホセ・オルテガ・イ・ガセットの著作。大衆が社会的権力を持つようになった20世紀において民主制が暴走する「超民主主義」の状況を危惧している。
池上彰
私の学生時代、社会科学を学ぶ学生にとって、この本は必読の古典でした。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』
これからのIT社会のトレンドがわかる「新世紀ビジネスモデル進化論」。
池上彰
ウェブとSNSの発達で、世界はまとまるのではなく、いくつも野村に分散・分断され、「原始人に戻ってしまった」という認識は、現代社会を分析する一つのツールになるだろう。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『全体主義の起源』
国家や法という伝統、さらに人間の本質まで破壊した全体主義への道筋とシステムを描いた不朽の大著。
池上彰
「全体主義」について、ナチス・ドイツとのソ連の同質性を分析するという驚くべき洞察力の書。全体主義は特殊なものではなく、時代や大衆によっていつでも誕生する可能性があるという。決して過去のことではないのだ。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
歴史
『ホモ・デウス』
ホモ・デウスとは、“ホモサピエンス = 人類” が “デウス = 神”になるという意味。ユヴァリ・ノア・ハラリがどんな未来を予測しているのかわかる一冊。
池上彰
人間は自らを神(ホモ・デウス)へとアップグレードしようとしているのではないか。実に奇抜で野心的な問いかけの本です。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
ビル・ゲイツ
『サピエンス全史』
近代世界は帝国主義・科学技術・資本主義のフィードバック・ループによって、爆発的に進歩した。ホモ・サピエンスの過去、現在、未来を俯瞰するかつてないスケールの大著。
池上彰
こういう人類史の本で幸せかどうかを問題に立てる本にはじめて出会った
出所:『サピエンス全史』の帯
【同様にこの本を紹介していた著名人】
けんすう、堀江貴文、杏、西村博之、カズレーザー 、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ
『銃・病原菌・鉄』
人類の歴史を動かしてきたものを、歴史学や考古学のみならず、分子生物学、進化生物学から地理学、文化人類学、言語学、宗教学等多様な学問領域の最新の知見を縦横に駆使することで明らかにする。
池上彰
かつて私たちが学んだ人類史は、最新の治験で大きく書き換えられていた。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『アンネの日記』
ユダヤ系ドイツ人の少女アンネが、ナチスの「ユダヤ人狩り」から逃れるため家族と共に二年間潜んだアムステルダムの “隠れ家” 。彼女はそこで、架空の友人キティーに宛てて日記を綴りました。
池上彰
イスラエルが、いまも存続し、中東に確固たる地歩を築いているのは、『アンネの日記』という存在があるからだ、というのが私の見方です。
出所:『世界を変えた10冊の本』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
上白石萌音
『日本史サイエンス』
本能寺の変で織田信長が殺害されたとき、備中高松城にいた羽柴秀吉は、どうやって短時間で京都に戻ることができたのか。日本史の出来事を科学的に検証してみせるという奇想天外な一冊。
池上彰
科学読み物ですが、推理小説を読むようです。
出所:池上彰さんが推薦する5冊
『世界史のなかの昭和史』
アジアの小さな“持たざる”島国が欧米列強の政略や戦略に翻弄された歴史を、「世界史の視野から」「現代の視点で」時系列で辿る。
池上彰
ヒトラー、スターリンといった世界の独裁者たちの意思決定がいかに日本の昭和史に影響を及ぼしたのかという切り口で語っていて、視点を広く学ぶことができる。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『ノモンハンの夏』
モスクワのスターリン、ベルリンのヒトラーの野望、中国の動静を交えて雄壮に描く、ノモンハン事件の決定版。
池上彰
ノモンハン事件とは、1939年5月から9月にかけて満州国とモンゴルの国境線をめぐって起きた紛争のこと。日本軍とソ連軍の全面的な戦闘に発展した。日本軍は計画性がなく準備も十分でないまま戦闘に突入し、甚大な被害を出したが、このことは日本国内で報じられず、責任者の将校たちは出世してしまうという情けない事件だった。著者は、その非合理・無能さを静かに告発する。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『日本のいちばん長い日』
降伏か、本土決戦か。8月15日をめぐる攻防が始まる。
池上彰
「歴史探偵」を自称する半藤さんの白眉の書。終戦を迎えた昭和20年8月15日。しかし、当時の政府は、徹底抗戦を叫ぶ陸軍に引きずられ、敗戦を認めることができない。
戦争を終わらせることがいかに難しいか。当時を知る人たちの貴重な証言により、歴史の暗部が浮き彫りになる。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『日本の長い戦後』
憲法改正、領土問題、歴史認識問題はなぜ、こんなにも軋轢を招くのか。アメリカで教える気鋭の社会学者が比較文化の視点から、日本の「敗戦の文化」を考察する。
池上彰
この時代の日本のことを若い人は意外と知らないのではないか。たとえば中学校で習う日本史で、教科書が先史時代から始まって順に教えていくために、近現代は年度末に時間が足りなくなってあまり詳しく教えられない。
(中略)この本で提起されている加害者という違う視点も学んでほしい。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『敗北を抱きしめて』
敗戦の惨状の中を歩み始めた民衆は、「平和と民主主義」への願いを抱きしめて、上からの革命に力強く呼応した。奇蹟的な「敗北の物語」を描いた二十世紀の叙事詩。ピュリッツァー賞受賞作品。
池上彰
945年の敗北の後、日本の民衆は、卑屈や憎悪ではなく、敗北という現実を抱きしめて「平和と民主主義」を求めて立ち上がった。戦後日本を、このように感動的に描くことも可能なのだと衝撃を受けた書。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』
東京大学教授の著者が、神奈川の栄光学園の中高生17人を相手に、日本の近代現代史である日清戦争から太平洋戦争までの「歴史」の授業を記録した。
池上彰
歴史好きの優秀な生徒を相手にしたものだけに、高度な内容を取り扱っているが、語り口は平易で読みやすい。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
経済
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
仕事に没頭することが「天命」であり、神に選ばれた証であるとするプロテスタンティズムの「職業倫理」が、資本主義の「精神」へと転化し、近代資本主義を生み出していく歴史のダイナミズムを論証した社会科学の古典。
池上彰
マックス・ウェーバーのこの本は、大きな衝撃を与えました。強欲の資本主義の精神が、禁欲的なプロテスタントの倫理から生まれたというのですから、その驚きは当然でしょう。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『資本論』
ドイツ古典哲学の集大成とされるヘーゲルの弁証法を批判的に継承したうえで、それまでの経済学の批判的再構成を通じて、資本主義的生産様式、剰余価値の生成過程、資本の運動諸法則を明らかにした。(Wikipediaより)
池上彰
マルクスが『資本論』で描き出した資本主義社会は、まるでリーマン・ショック後の日本を予言したかのようでした。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『雇用、利子および貨幣の一般理論』
資本主義の抱える大量失業と不安定な経済循環への処方箋として、雇用と有効需要、利子率と流動性とを組み合わせた「一般理論」を構想。現代経済学の出発点にして、今なお必読の古典。
池上彰
景気が悪くなったら、政府が公共事業などで支出を増やして経済を活性化させる。金利を下げて、企業の投資を活発化させる。
これらは、景気対策としての常識になっています。中学校の社会科で習う話です。しかし、かつては常識どころか、「とんでもない話」と考えられていたこともあります。それを世の中の常識にしてしまった本。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『資本主義と自由』
郵政改革、教育バウチャー、規制撤廃など絶対自由主義の政策の意味を説いた名著。
池上彰
フリードマンの学説はアメリカのみならず、イギリスなど各地に支持者を拡大。社会主義崩壊後の旧ソ連や東欧諸国では、資本主義化の指針になるほど影響力を持つようになりました。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『韓国 行き過ぎた資本主義』
政府の過剰に新自由主義的な政策により、すべての世代が競争に駆り立てられている「超格差社会」韓国。その現状を徹底ルポ。
池上彰
韓国とは、これほどまでに生きにくい国になってしまったのかと驚かされる実態。政府が新自由主義的な政策を採用したことで、あらゆる世代が競争に駆り立てられ、「超格差社会」が誕生してしまいました。「まずは自助を」と首相が言う国にとって、いまの韓国は近未来かもしれません。
出所:池上彰さんが推薦する5冊
『欲望の資本主義』
ノーベル賞学者、異端の奇才エコノミスト、シリコンバレーの投資家らを通して、人間の業=欲望をキーワードに資本主義の本質と新しい経済を問い直す。
池上彰
「欲望」をキーワードに資本主義の本質を追求した。特に3巻は、GAFAについて世界の識者が分析する。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
小説
『君たちはどう生きるか』
貧困、いじめ、勇気、学問。今も昔も変わらないテーマに、人間としてどう向き合うべきか。
池上彰
私が初めて原作を読んだのは小学生のとき。これから自分はどう生きていくのだろうと悩んでいたときだけに、生きていく軸のようなものを与えられた記憶がある。
出所:『池上彰と現代の名著を読む』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
糸井重里、中田敦彦、宮崎駿
『沈黙の春』
自然を忘れた現代人に魂のふるさとを思い起こさせる美しい声と、自然を破壊し人体を蝕む化学薬品の浸透、循環、蓄積を追究する冷徹な眼、そして、いま私たちは何をなすべきかを訴えるたくましい実行力。三つを備えた、自然保護と化学物質公害追及の先駆的な本。
池上彰
私たちが知らないうちに、人間たちにとっての自然が変容してしまうのではないか。そんな危機感を早くから抱き、世に警鐘を鳴らす本を出版した人がいたことで、世界が大きく変わったことがありました。それをもたらした本が、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』です。
出所:『世界を変えた10冊の本』
『眠れる美女』
波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女。
その傍らで一夜を過す老人の眠は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。
参考:東洋経済オンライン
『狭き門』
早く父を失ったジェロームは少年時代から夏を叔父のもとで過すが、そこで従姉のアリサを知り密かな愛を覚える。しかし、母親の不倫等の不幸な環境のために天上の愛を求めて生きるアリサは、ジェロームへの思慕を断ち切れず彼を愛しながらも、地上的な愛を拒み人知れず死んでゆく。
参考:東洋経済オンライン
『車輪の下で』
周囲の期待を一身に背負い猛勉強の末、神学校に合格したハンス。しかし厳しい学校生活になじめず、学業からも落ちこぼれ、故郷で機械工として新たな人生を始める。
地方出身の一人の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いたヘッセの自伝的物語。
参考:東洋経済オンライン
『転迷』
大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。
池上彰
正しく生きようという勇気が湧いてくる小説です
出所:『転迷』の帯
『KATANA』
古今東西、最新科学技術の成果は、真っ先に戦場にもたらされる。そして、今また一つ、新たな兵器が開発されようとしていた。
池上彰
本書が提示する近未来は、極めて現実的で、説得力にあふれている。
出所:『KATANA』の帯