短歌・歌集
『シン・短歌入門』
三十一年の短歌歴で、これだけは伝えておきたいという大事なことは、ほとんど詰め込むことができたと思っています。——笹 公人「はじめに」より
俵万智
短歌のドアをノックする前に、笹先生が念力で開けてくれます。シンは新であり真であり深でもありますね。
参考:本の帯
『AIは短歌をどう詠むか』
「型」と「らしさ」を身につけるには。AIが学んでいく姿から、短歌の面白さも見えてくる。
俵万智
短歌の海にもぐる潜水艦のようだ。AIと見る創作の風景は、とってもスリリング。
参考:本の帯
『まさかジープで来るとは』
せきしろ、ピース・又吉直樹が読む、自由律俳句集。
俵万智
ストーリーはないのに、物語がある。いつまでも舐めていたい飴のような言葉たち。一粒一粒を、心のなかで溶かしながら、広がる風景を味わいたい。
参考:本の帯
『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』
「あの数ある自転車の中でただ1台倒れているのがそう僕のです」他、105首の短歌とエッセイで綴る、ほろ苦さとおかしみに満ちた愛すべき日々。
俵万智
岡本雄矢は、枯れ木のような日常を、歌の小花でいっぱいにする。三十一文字の花咲か爺さんである。
参考:本の帯
『歌集 改元前後 2016-2019』
日本古典文学や和歌を専門とする、早稲田大学文学学術院教授による日々詠み重ねてきた歌の数々。
俵万智
歌の神様は、時に粋なことをなさる。古典和歌の研究者に、ひょいとサーフボードを与えるように短歌の実作を促した。人生の最も大きな波を乗りこなした結果が、この歌集だ。自在さと多彩さに目を瞠りつつ、胸が熱くなる。
参考:本の帯
『土地に呼ばれる』
ふるさと浪江の現実と向き合い、問いかける歌集。
俵万智
復興とは、なかったことにすることなのか。 告発ではなく、実感と愛着から生まれた歌たちが、 問いかけてくる。 土地に呼ばれた三原由起子の、 元気に忘れないという強い意志。 それが一冊を貫き、胸に迫る。
参考:本の帯
『トビウオが飛ぶとき』
NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の中で出てきた短歌・詩をまとめたアンソロジー。
俵万智
「もっと登場人物の短歌が読みたい!」という声に押されて歌集が誕生する……この軌跡のような展開に立ち会えたことを、歌人の一人として幸せに思う。
参考:本の帯
『偶然短歌』
一見、何の変哲もない普通の文章の中に、偶然57577のリズムが含まれている場合があります。そのような「偶然」の57577を「短歌」とみなしたものを「偶然短歌」と呼び、まとめたのがこの本です。この本には、ウィキペディア日本語版の文章の中から見つけた「偶然短歌」が100首、収録されています。
俵万智
偶然短歌、おもしろい!
参考:X
『折々のうた—春夏秋冬—』
詩歌の国・日本の千年の歴史を物語る、現代の万葉集。実に6,762編の中から、春・夏・秋・冬それぞれ68編を選びぬき、全4巻にまとめました。
俵万智
一日のはじまりに一編の詩歌と出会う喜び
参考:本の帯
『歌集 滑走路』
NHKニュースウオッチ9で「“非正規”歌人が残したもの」として紹介され、大反響。32 歳で命を絶った若き歌人の絶唱を収めた短歌集。
俵万智
ピュアな言葉に思う。短歌は彼の濾過装置。自在な表現に思う。短歌は彼の翼。真っすぐに心を射抜く短歌が、ここにある。
参考:本の帯
『ホスト万葉集』
短歌を作ったのは、歌舞伎町に6店舗のホストクラブがあるスマッパ!グループの会長・手塚マキ氏とホスト75人。
俵万智
彼らならではの世界を垣間見る面白さもあったし、普遍的な愛の姿というか、悩んだり嬉しかったりの喜怒哀楽が詰まっているという意味では、すごく素晴らしいと思いました。
『桜前線開架宣言』
若い才能が次々にデビューし、いま盛り上がっている現代短歌の世界。その穂村弘以降の全貌を描き出す作品集。
俵万智
現代短歌の最前線、大変なことになってます!
参考:X
エッセイ
『子どもへのまなざし』
児童精神科医の著者が、臨床経験をふまえて乳幼児期の育児の大切さを語る、育児に関わる人の必読書です。
俵万智
圧倒的な自然のなかで子どもが野放図に遊び、地域のみんなで子育てをする。石垣島に留まったのはそういう環境があったからですが、これも佐々木先生の本を読んでいたからです。本当に母子手帳と一緒に配ればいいと思うくらい、この本は私のバイブルになっています。
『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』
「女でいる」ための鎧を着込んだすべての同志へ。ややこしき自意識と世間の目に翻弄されながら、日々を果敢かつ不毛に戦う、本音しかないエッセイ集。
俵万智
著者自身は、ほぼ常にトホホな低め安定の位置に身を置きながら、それぞれの甲冑がどのような価値観をまとうものかを看破する目が、まことに鋭い。
甲冑へのあこがれを隠さず、けれどその重さを我慢することはせず、不必要だと思うものも、いきなり断捨離して喪失感を味わうことは、避ける。ある意味、絶妙なバランスをとりながらの自意識の迷いと格闘が、繰り返される。
甲冑を品定めする視線は、低め安定の位置だけれど(これは多くの読者の共感を呼ぶ大事な装置でもあるだろう)、軽妙なコラムの筆致は、高め安定の「今」を感じさせてくれるもので、読む楽しみを与えてくれる。
『芥川賞の謎を解く』
歴代の受賞作を生んだ現場ではどんな議論がなされたのか。ヒントは選考委員が書き残した1400以上の「選評」にありました。全選評を完全読破した記者が、ついに謎を明かします。
俵万智
本書は、「芥川賞の選評」という切り口で文学の歴史を眺めた、ユニークな1冊だ。未知の新人の作品に向き合うとき、選考委員である作家の文学観や読みの技量や、心の度量までもが試される。「選評」とは、まことに生々しくスリリングな読み物であることを教えられる。
著者は、読売新聞の文化部の記者。芥川賞を取材しつづけて25年のベテランだ。すでに亡くなった作家から直接聞いた貴重な話なども織りこまれていて、まことに興味深い。
『日本人はどこから来たのか?』
3万8000年前、われわれの祖先は、偶然の漂流によってではなく、強い意志を持った航海者として、日本列島に移住してきたのだ。徹底的な科学調査によって、アフリカから日本までの「グレートジャーニー」の道筋を浮かび上がらせる。
俵万智
「知ってる、知ってる。そのあたりは、むかし陸続きだったんだよね。だから歩いてきたんでしょ」と思った、そこのあなた。決して陸続きではなかった、陸続きなはずがないという証拠を、次々とあげられて論破される快感を、ぜひ本書で味わってほしい
『常世の花 石牟礼道子』
『苦海浄土』をはじめ数々の名著を遺して世を去った作家が生涯を賭して闘ったものとは何だったのか。石牟礼道子と親しく交流した著者がその精髄に迫る。石牟礼道子と著者の対談も収録。
俵万智
著者の筆は温かく穏やかで、石牟礼道子という人から受け取ったものの大きさや深さを、過不足なく届けることに集中している。不特定多数の読者を想定して書かれたこともあるのだろう、こうしてまとまってみると、簡潔にして魅力的な「石牟礼道子入門」の誕生となった。
参考:人柄や文学の本質伝える
『飛び跳ねる教室・リターンズ』
教員歌人として活躍する作者による自伝的青春エッセイ。
俵万智
ちばさと先生と生徒の交流にぐっとくる。でも、ちばさとにはなりたくない。大変すぎる。私は、ちばさとの生徒になりたいと思った。幸せすぎる。
参考:本の帯
『共感百景』
芸人、漫画家、小説家、アーティスト——。言葉の名手たちが紡ぐ、”あるある”共感詩集。
俵万智
それは、道端にある名もない小石の一つ一つに、名前をつけていくこと。
参考:本の帯
『物語のカギ』
文学だけでなくマンガや映画まで幅広い「物語」へのあふれる愛を語りながら、より深く味わうための目のつけどころ=「カギ」をわかりやすく解説。ふだんあまり本を読まない人や、まだ読書に慣れていない中高生にこそ読んでもらいたい1冊です。
俵万智
読める男スケザネによる「物語の歩きかた」。読書という旅を豊かにする最強のガイドブックだ。
参考:本の帯
『ママはキミと一緒にオトナになる』
どこの家庭でもある「話すほどでもない」幸せを、気づかせてくれる一冊。
俵万智
肯定する力が素敵すぎる。こういう考えのママ友がいたらなあと思うし、いない人のために本書はある。心のママ友として
参考:本の帯
『わらうデ』
ローカルから世界へ発信するデザイナー梅原真が、43の仕事をショートショート・エッセイで紹介する。
俵万智
ハートフルで痛快。デザインへの道のりは、何を大事に生きるかという物語。
参考:本の帯
『桂離宮』
伝統・美・歴史。京都市西京区にあり、宮内庁が管轄する桂離宮の真髄を探る。
俵万智
美を体験することと、美を考察することの、交点にある一冊
参考:本の帯
『解散後全劇作』
劇団「夢の遊眠社」解散後、ロンドン留学を経て再出発した野田演劇の全貌。「キル」「贋作・罪と罰」「TABOO」「赤鬼」「ローリング・ストーン」を全収録。野田秀樹略年譜、エッセイ付き。
俵万智
これらの作品は「古典」と呼ばれることになるのだろう。
参考:本の帯
『岡村靖幸 結婚への道』
第一弾で32人の結婚経験者(または独身主義者)に「結婚したい、どうしたら理想の相手に巡り会えるのか?結婚したら愛は冷める? 育児ってやっぱり大変?」を聞き続けた岡村靖幸。第二弾では、38人のゲストに「結婚とは何か」という命題をぶつけます。
俵万智
「通い婚」って、良いなあと思う。恋愛をキープできる結婚の形態じゃないかな
参考:本の帯
古典
『ミライの源氏物語』
現代人が「源氏物語」を読むときのハードルとなるのは、ひとつは言葉の違い(古文の読解)、そしてもうひとつは倫理観や社会規範の違いです。本書では「源氏物語」について、現代人ならではの読み方を考えます。
俵万智
「古典をなぜ読むのか?」という古くからある問いに対して、これほど明快で深い、それでいて新しい答えに、私は出会ったことがない。
参考:本の帯
『源氏物語 瀬戸内寂聴訳』
平安時代中期に紫式部によって創作された最古の長編古典小説。
俵万智
今風に言えば、視聴率ナンバーワンのトレンディドラマ、それが『源氏物語』だと思う。寂聴源氏の魅力は、王朝時代の鮮度を保ちつつ、そのおもしろさと深さを、分かりやすく伝えてくれるところ。それが、パスタ一皿の値段で読めるなんて!
参考:本の帯
『野の古典』
古典には立派なことばかり書いてあるわけではない。底無しの煩悩、醜い邪心、制御不能な愛欲、えげつない話——教科書には載らない部分こそ、 人間の真の姿を映し出してくれる。『古事記』『万葉集『南総里見八犬伝』『武士道』など、能楽界の奇才が縦横無尽に語る。
俵万智
古典は骨董品ではなく、日常使いの器なのだ。使ってナンボ。その使いかた、楽しみかた、味わいかたが、本書にはたっぷり盛られている。安田節というユーモアとエロスのダシを効かせて。
参考:本の帯
日本語
『倉本美津留の超国語辞典』
『ダウンタウンDX』『M-1グランプリ』などを手がける人気放送作家が編み出した、「日本語の面白さ」に出会える画期的国語辞典。発想と企画のヒント満載。
俵万智
私は、画家の有元利夫の言葉を思い出した。
……使い古された言い方は、『手垢にまみれた』とかなんとか因縁をつけられて、だんだん敬遠されてしまう。考えてみれば、通俗な表現というのは、人間のどこかにそれだけ深く根差しているものだからこそ、広く行きわたって『通俗』になったと思うのです。(有元利夫『女神たち』)
この「手垢」の成分を徹底分析したのが本書なのだ、とも言えるだろう。
『なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか?』
言語の本質に迫る、小学生からの素朴な疑問の数々。言語学者が本気で答えます。
俵万智
ただでさえ⾯⽩い川原先⽣のお話が、さらに分かりやすく刺激的になっている。⼩学⽣はもちろん、かつて⼩学⽣だった⼤⼈にも薦めたい。
参考:Amazon
『ルポ 誰が国語力を殺すのか』
『ごんぎつね』が読めない小学生、反省文が書けない高校生。子供たちの言葉を奪う社会の病理と、国語力再生の最前線を描く渾身のルポ。
俵万智
注意報ではなく警報レベルだ。子供たちの現状に絶句した。本書の処方箋を、必要なところに届けること。それがこの国の急務であり、希望の道筋となるだろう。
参考:本の帯
『ことばおてだまジャグリング』
回文、アナグラム、パングラム、アクロスティック(折句)、しりとり、なぞなぞ、早口言葉など、シンプルで奥が深い“ことばあそび”の魅力へいざなうエッセイ。
俵万智
軽い頭の体操から、深い日本語の考察まで。言葉は無料で無限に遊べるおもちゃであることを、実感させてくれる一冊だ。
『全国アホ・バカ分布考』
アホとバカの境界は?素朴な疑問に端を発し、全国市町村への取材や文献を読みあさり、方言地図完成までを描くドキュメント。
俵万智
著者は「探偵! ナイトスクープ」というテレビ番組のプロデューサー。視聴者から寄せられたさまざまな疑問を、楽しく解明してゆく番組だ。(中略)言語学に関して、ズブの素人だからいいのだ。著者につられて、読者はゆっくりと階段を昇るように、かなりつっこんだ言葉の勉強ができる。学問っておもしろいな、と思った。
わくわくした。これが学問の本来の姿なのだ、きっと。
また、本書は、テレビ番組がいかに作られてゆくかというドキュメンタリーでもある、という点がユニークだ。多くの学者の先生やスタッフ、視聴者との出会いのドラマは、爽やかで、ときにほろっとさせられる。
参考:ALL REVIEWS「『全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路』(太田出版)」
『日本語根ほり葉ほり』
言葉を軽視する昨今の風潮はどこから生まれたのか。日常語の中から気になる表現を選び、日本人と日本文化の変質を考える。
俵万智
本書は、さまざまな日本語を通しての日本人論、あるいは日本文化論と読むことができるだろう。それも、「今」の言葉が生け捕りにされ、観察されている点が興味深い。変わりゆく日本語を鏡にして、変わりゆく日本人が見えてくる。
参考:ALL REVIEWS「『日本語根ほり葉ほり』(新潮社)」
小説
『錦繍』
運命的な事件ゆえ愛しながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る―。
俵万智
小説ではいちばん再読している作品です。
『星の王子さま』
世界中の子供が、そして大人が読んできた。世紀を越えるベストセラー。砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった。
俵万智
読むたびに受け取るもの、新たな気づきがある本です。これは再読の書の定番といえるでしょうし、いろいろな方が翻訳していますが、私はやはり内藤 濯さんの訳が好きです。
『僕の女を探しているんだ』
大ヒットドラマ『愛の不時着』に心奪われた著者による熱いオマージュの込められたラブストーリー集。
俵万智
ヤラレタ。小説の手法として、こういうのって今まであったのだろうか。くすんだ日常に降臨するイケメン、リ・ジョンヒョク愛が、こんな形で結晶するとは!
参考:本の帯
『念力レストラン』
歌人・笹公人氏による、短歌250首、エッセイ等、小説が詰まった作品集。
俵万智
短歌は日本文化の米のようなもの。それがドリアにも炒飯にも寿司にもプディングにもなれることを、笹さんは教えてくれる。味わう喜びが、たっぷり詰まった一冊だ。
参考:本の帯
『車軸』
同性愛者であることを公言している自身の胸中を紡ぎ、数々の賞を受賞する気鋭の歌人による、小説デビュー作。
俵万智
新しさのなかの普遍性。彼の短歌にも、同じものを感じます。魅了されました。
参考:本の帯
『さよなら、田中さん』
田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。そんな花実とお母さんを中心とした日常の大事件やささいな出来事を描ききる。中学生作家の圧巻デビュー作。
俵万智
素晴らしすぎる。私たちが、同時代に鈴木るりかという作家を得たこと。これは事件だし僥倖だし大きな希望です
参考:Amazon
『ゴールデンスランバー』
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない──。
俵万智
面白いですよね(^_^) 映画もおすすめです!
参考:X
『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』
人気講師が性暴力で告発された。当事者たちの生々しい感情、ハラスメントへとつながる過程をリアルに描く。
俵万智
井上荒野さんの小説は、いつも読んでいるあいだ、自分自身がその小説世界に生息しているとしか思えない感じがするのですが、それゆえ読み進めるのが辛い作品でもありました。
密室で起こることの多いセクハラは、たとえばノンフィクションでは描きにくい面もあるでしょう。小説だからこそ描き得る世界だし、小説だからこそ、読後私たちは存分に語り合える……そんな良さも感じました。答えではなく、問いを手渡される小説だと思います。
マンガ
『うみべのストーブ』
マンガやイラスト、短歌などを作る作者によるコミック短編集。トーチwebにて試し読みが可能。
俵万智
小蟹さんの澄んだ心の目。そのまなざしを借りて私たちは、忘れそうなほど小さくて、でもとても大切な何かを見つめなおす。たしかに降ってきたけれど、とっておけない雪のように。
参考:本の帯
【同様にこの本を紹介していた著名人】
佐久間宣行
『呪文よ世界を覆せ』
相方だけがブレイクした売れないお笑い芸人・虎屋戸太郎は、彼女と住処をいっぺんに失ったどん底の日に、人懐っこく話しかけてくる不思議な女性・多悠多に出会う。彼女と、彼女が愛してやまない「短歌」に触れたとき、戸太郎の運命は変わり始める。既刊2巻。
俵万智
短歌の魅力が詰まった漫画、めっちゃ楽しみに読んでいます
参考:X
『老人賭博』
北九州のシャッター商店街が心ない賭けのワンダーランドと化す。映画撮影に打ち込む人々の心の黒さと気高さを描く。全3巻。
俵万智
これはぜひ読んでいただきたい
参考:X
絵本
『橋の上で』
学校帰り、ぼくはひとりで川の水を見ていた。そこに雪柄のセーターのおじさんがあらわれて、ふしぎなことをおしえてくれた。
俵万智
橋の上から始まって、心に橋をかける物語。くまがやまねこと出会ったように、ぼくにおじさんが現れたように、君にはこの絵本があると、子どもたちに伝えたい。
参考:Amazon
『つんつくせんせいとつんくまえんのくま』
遠足に出かけたつんつくせんせいと子どもたち。ところが、つんくまえんのくまたちも同じ日に遠足に出かけて——。
俵万智
「おひるねのとも」に適している絵本というのがある。読んでもらっているうちに、すうっと眠りに誘われるためには、あまりハラハラどきどきのお話でないほうがいい。適度におもしろく、適度にのんびりしていて、適度にややこしい……。息子にとっては『つんつくせんせいとつんくまえんのくま』が、まさにそういう絵本だ。
『だいくとおにろく』
何度橋をかけてもたちまち流されてしまう川に、橋をかけるよう村人に依頼された大工が、川岸で思案していると、鬼が現れて、目玉とひきかえに橋をかけてやるといいます。いいかげんな返事をしていると、2日後にはもうりっぱな橋ができあがっており、鬼は目玉をよこせとせまります。
俵万智
大工に代わって橋をかけた鬼は、約束の目玉を渡せと迫る。名前を当てることができたら許してやるというのだが……。最後の、名前を当てる場面が、このお話で一番盛り上がるところ。(中略)鬼の名前をすでに知ることができたのに、何回かわざと間違えて言うところが、やはりおもしろい。
参考:鬼の名は、おにぎり?
『かいけつゾロリ イシシ・ノシシ大ピンチ! !』
お金を盗んだ濡れ衣を着せられたゾロリたち。時間までにお金を見つけなければイシシとノシシは池の泡にされてしまう。
俵万智
それにしても、ゾロリの人気はすごい。図書館の本の汚れぐあいでも、一目瞭然(りょうぜん)だ。文字と挿絵だけでなく、時にはマンガ風に吹き出しにセリフが入っていたりして、とても読みやすい。もちろんそれだけなら、他にも類似したものがあるが、ゾロリのおもしろさは群を抜いているようだ。いくつか似たような本も借りてみたが、今や息子はゾロリ一辺倒である。
参考:ゾロリがゾロゾロ
『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』
著者が幼少期に体験した実話を、ノスタルジックなイラストで展開する絵本。
俵万智
母親の心中を察するに「私が守ってやらなくても、自分で考えて行動できる子どもになってほしい」ということだと思う。それを目の前にある、もっとも親しみ深いナスビで、今日からできるやりかたで、母は実行した。
不器用かもしれないけれど、精一杯のこのアイデアが「ボク」を成長させた。母が亡くなってからボクが聞いた、父の言葉には、思わず涙させられる。