小説
『CF』
罪の責任を取る必要がない“無化”を行う超巨大企業・Central Factory。加害者のみならず被害者の苦しみも取り除いてくれる夢のような技術を持ち、世を平穏へと導いている。
尾崎世界観
せっかく読んでいた物語が、CFのせいでグチャグチャになる。それは全部CFのせいなんだけど、そもそも何の為にこれを読んでいるのかとCFは思わせてくる。そこからはもう、CFにまるごと委ねれば楽になる。CFが全部やってくれる。CFが知っている。CFに行きたい。
出所:本の帯
『明け方の若者たち』
「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」その16文字から始まった、沼のような5年間。
尾崎世界観
どうしても下北沢に馴染めなくて、逃げるように乗った井の頭線。通り過ぎた明大前のしみったれたお前。お前にあの頃出会いたかった。
出所:本の帯
『雪子さんの足音』
東京に出張した僕は、大学時代を過ごした高円寺のアパートの大家の雪子さんが、熱中症でひとり亡くなったことを知った。20年ぶりにアパートを訪ねようと向かう道で、僕は、当時の日々を思い出していく。
尾崎世界観
優しさと欲望が入れ替わってくる。ちょっと怖いですね。でもクセになる小説です。
出所:本の帯
『無駄花』
死刑囚・中村は、出版社の社員から、これまでの半生について手記を書くよう促される。そこで中村は自身の半生と、因縁の男・島田との関係を綴り始めることになった。
尾崎世界観
なんの捻りもないコメントだけれど、捻る間も惜しんで勧めたい。とにかく読んでください。自分が書いたことにしたいくらい大好きな作品。
出所:本の帯
『牛を屠る』
著者が作家専業となる以前、1990年から埼玉の屠畜場に勤めていた日々を綴る。仕事と人生の関わりを普遍的に描き得た一冊。
尾崎世界観
「かけがえのない命を頂いて生きている」という生ぬるさは無くて、ただ熱い命が淡々と流れていく事が、かけがえない。
出所:本の帯
『あなたに安全な人』
人を死なせた女と男の、孤独で安全な逃亡生活。
尾崎世界観
ここ最近、分断を許さないことで起きる分断のせいで、 空気を読むのにずっとうんざりしていたから、ひたすら気配を読むこの読書が幸福だった。
出所:本の帯
『クラウドガール』
奔放に生きる妹と規律正しく生きる姉が共有する、家族をめぐる「秘密」を描いた物語。
尾崎世界観
精肉売り場に並んだ肉だ。不健康な明かりに照らされた冷たい肉。なかなか消えない血の生臭さと強さ。それをどうにか誤魔化して食べる人間の滑稽さ。読んだら悲しくて腹が減ってきた。
出所:本の帯
『日曜日の人々』
亡くなった従姉から届いた日記。それをきっかけに、僕はある自助グループに関わるようになった。死に惹かれる心に静かに寄り添う、青春小説。
尾崎世界観
剃刀みたいな文章が「居たい」と「痛い」を引き裂く。ぱっくり空いた穴はどうせ空っぽなのに、なぜだかいつまでも目が離せない。
出所:本の帯
『くっすん大黒』
3年前に働くのが嫌になり、仕事を辞めて毎日酒を飲んで放浪する自堕落な生活を送っていたため、妻に家を出て行かれた主人公。それらの理由を全て自分の家にあった不気味な金属の大黒のせいにし、その大黒を捨てる旅に出る。
尾崎世界観
バンドで食っていこうとしたけどうまくいかなくて。これからどうしようかなというときに、すごくはまりましたね。登場人物が、自分の身代わりになってくれるような気がしたんです。
どいつもこいつもめちゃくちゃな方向に行くんですけど、だからこそ、自分が許されたきぶんになりました。「このままでいいんだ」って。
出所:尾崎世界観ほか『ごほん、出しときますね?』
『屈辱ポンチ』
表題作と「けものがれ、俺らの猿と」の二篇を収録。
『ライン』
半殺しにされたSM嬢、男の暴力から逃れられない看護婦、IQ170のウエイター、恋人を殺したキャリアウーマン。
男女の性とプライドとトラウマが、次々に現代日本の光と闇に溶けていく。圧倒的な筆力で現在のコミュニケーションを描いたベストセラー。
尾崎世界観
お気に入りの本です。自分の変わってるところも、他人のイヤなところも、これを読むと受け入れられる。読むと安心します。
出所:尾崎世界観ほか『ごほん、出しときますね?』
『よるのふくらみ』
同じ商店街で幼なじみとして育ったみひろと、圭祐、裕太の兄弟。圭祐と同棲しているみひろは、長い間セックスがないことに悩み、そんな自分に嫌悪感を抱いていた。
尾崎世界観
窪さんの作品を読むと、誰かと繋がっていたくなるから困る。
出所:本の帯
『何食わぬきみたちへ』
イジメを見てみぬふりした自分に嫌悪を抱く伏見と、障がい者の兄と暮らす敦子。傷だらけで世界への違和にあらがう高校生たちの物語。
尾崎世界観
嘘を暴く以前に、嘘という概念すらなく、ただまっすぐ本当に向かって書いてる。
出所:本の帯
『杳子・妻隠』
現代の青春を浮彫りにする芥川賞受賞作「杳子」。都会に住まう若い夫婦の日常の周辺にひろがる深淵を描く「妻隠」。著者の代表作2編を収録。
尾崎世界観
言葉を読む時点で、もうそこには意識が芽生えてしまっているけれど、読んでいるうちに、またそこからどんどん無意識に戻って行けるのが楽しかったです。
そして、読みながらまた意識の方へ戻って行く。そうやって意識と無意識を行ったり来たりする、不思議な体験でした。言葉にならないという表現が恥ずかしくなるほど、言葉で表現されています。
とにかくメンヘラという言葉が嫌いで、それを聞いたり見たりするたびに、なんかサボってるなと思い腹を立てていました。そのメンヘラという言葉をぶち殺してくれるような杳子の存在を書いた言葉が、とても頼もしいです
出所:CREA「クリープハイプ・尾崎世界観がおこもり中に読んだ本&マンガ3冊は?」
『幸荘物語』
築三十三年、六畳一間、家賃は三万三千円也。吉祥寺幸荘には極貧ながらも明日を信じる若き芸術家たちが暮らしている。小説家志望の吉岡は二十四歳にして童貞。女性経験の無さからくる劣等感に苛まれ、悶々とした日々を過ごしている。
尾崎世界観
暴力とエロもあるけれど青春小説
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『次郎物語』
幼少期に里子に出された主人公本田次郎の成長を、青年期にかけて描く。湖人自身の里子体験が反映されるなど、自伝的色彩が濃いものとなっている。
尾崎世界観
小学校高学年の時に図書券ではじめて買って読んだのが下村湖人さんの『次郎物語』でした。何も知らずに手にとったんですけど、夢中になりましたね。あれがはじめて「ちゃんと小説を読んだ」と思えた本です。
読み終わった時に寂しくなったのがはじめてだったんです。登場人物たちに置いていかれたような、自分だけ放り出されたような寂しさがありました。そういう経験をして癖になったというか、本っていいなと思いました。
出所:本の帯
『グローバライズ』
下ネタや不条理な暴力、圧倒的無意味を描く作家、初の短篇集。
尾崎世界観
考察もネタバレも寄せつけない、圧倒的な「変」が心地いい。どの話もぐにゃぐにゃぶよぶよぷるぷるしてる。
出所:Web河出「人気作家が選ぶ「これがわたしの偏愛河出文庫」ベスト・オブ・ベスト」
【同様にこの本を紹介していた著名人】
光浦靖子
『最後の息子』
友だちのオカマがホモ狩りにあって殺された事件を契機に、生活がうまくいかなくなってしまう。文學界新人賞を受賞した表題作の他に、長崎の高校水泳部員たちの夏の一瞬を爽やかに描いた「Water」「破片」などを収録。
尾崎世界観
吉田修一さんを知ったのも加藤製本(就職先)でした。デビュー作の『最後の息子』が最初で、そこから『熱帯魚』や『パーク・ライフ』など、初期の頃の作品を夢中になって読みました。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『熱帯魚』
主人公は子連れの美女と同棲するのだが、そこに引きこもり気味の義理の弟が加わることに。不思議な共同生活を描いた表題作の他「グリンピース」「突風」の二篇を収録。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『パーク・ライフ』
日比谷公園を舞台に男と女の微妙な距離感を描き、芥川賞を受賞した傑作小説。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『ぼくらはみんな閉じている』
鬼才が描く、心の壊れてゆく9つの風景。
尾崎世界観
すごく印象に残っているのは小川勝己さんの『ぼくらはみんな閉じている』。短篇集なんですけど、全部気持ち悪い話だったので憶えている(笑)。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『ブルース』
南シナ海に浮かぶ巨大タンカーの中で、主人公の友人は死んだ。仕事中の事故とはいえ、その原因は彼らを指揮する徳山であった。歪んだ愛と過剰な暴力。濃密で過激な男の生きざまを描く。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『風転』
大学受験に失敗した主人公は、作家である父親に抑圧され、鬱屈した日々を送っていた。恋人の萌子の妊娠、父の盗作事件が発覚し、ついに彼の鬱屈は臨界点を超えてしまう。
尾崎世界観
面白かった
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『ぢん・ぢん・ぢん』
新宿歌舞伎町でヒモ修行をはじめたイクオは、その夜のうちに童貞を捨てた。新宿を舞台に性の遍歴、魂の彷徨を経て成長していく青年の姿を描きながら、既成のモラルを問い直す問題作。
尾崎世界観
空き缶で顎を殴って顎の肉がベーコンみたいにたれさがる描写がすごかった。ためらいなく、立ち上がりはやく残酷なんですよね。自分が触れてドキドキする表現ってそうなんです。
残酷なことを書こうと準備してやっているなと感じると冷めてしまうけれど、花村さんはいきなり痛々しい描写がくるから「えっ」と驚くと同時に「ああ、痛いな」と実感する。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『ドライブイン蒲生』
ドライブインを経営する実家で育った、姉弟の不器用な生き様を描く。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『サーチエンジン・システムクラッシュ』
生きているのか、死んでいるのかわからない。その曖昧さに耐えられるか。現代演劇の旗手が放つ、衝撃の小説デビュー作。
尾崎世界観
すごく好きだったのは宮沢章夫さんの『サーチエンジン・システムクラッシュ』。ああいうふうに主人公がどんどんおかしくなってへんな世界に入っていく話がよかったんです。今の自分の現実を紛らわしてくれるような話を求めていました。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『ゴールドラッシュ』
風俗店が並び立つ横浜黄金町。14歳の少年は、中学を登校拒否してドラッグに浸っている。父親は、自宅の地下に金塊を隠し持つパチンコ店経営者。何でも金で解決しようとする父に対し、少年が起した行動とは。
尾崎世界観
ものすごくよかった。家族の話だけどすごく暴力的な作品なんです。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
【同様にこの本を紹介していた著名人】
秋元康
『疾走』
中学生のシュウジは、父、母、兄の4人で暮らしていた。町に持ち上がった一大リゾートの開発計画、そして兄の犯罪をきっかけに、一家はたちまち苦難の道へと追い込まれる。
尾崎世界観
すごく好きでした。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『横道世之介』
大学進学のために上京してきた横道世之介は、流されるままにサンバサークルに入り、一目惚れした年上の女性に弟のふりをしてくれと頼まれたり、世間知らずの社長令嬢に振り回されたり、さまざまな人と出会いながら忙しい1年間を過ごす。
尾崎世界観
デビューした後に読んだ本では、吉田修一さんの『横道世之介』が印象に残っていますね。自分が10代後半の頃に読んでいた作家さんが、また違った作品を書くようになって、自分も作家の方も変わったんだなと時間の流れを実感できて感慨深かったです。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『限りなく透明に近いブルー』
米軍基地周辺のアパートで暮らす、主人公のリュウ。アパートの住人がクスリ、セックス、暴力、兵士との交流などに明け暮れ生活している。リュウは仲間達の行為を客観的に見続け、彼らはハウスを中心にただただ荒廃していく。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『コインロッカー・ベイビーズ』
コインロッカーに遺棄された瀕死の乳児が息を吹き返す。 乳児院で育てられた2人は、5歳の頃に九州の離島で暮らす夫婦に双子として引き取られる。 その離島でガゼルという男と出会い、人を殺したい時に唱えるおまじない「ダチュラ」を教わる。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
【同様にこの本を紹介していた著名人】
又吉直樹
『五分後の世界』
箱根でジョギングをしていたはずの小田桐はふと気がつくと、どこだか解らない場所を集団で行進していた。そこは5分のずれで現れた「もう一つの日本」だった。
「もう一つの日本」は地下に建設され、人口はたった26万人に激減していたが、第二次世界大戦終結後も民族の誇りを失わず、駐留している連合国軍を相手にゲリラ戦を繰り広げていた。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『海の向こうで戦争が始まる』
ある日浜辺で絵を描いていた主人公はフィニーという不思議な女性に出会う。「彼女はあなたの目に町が映っている」と言う。その街は海の向こうにあり、盛大な祭りが開かれているという。
尾崎世界観
衝撃的でした。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『インストール』
女子高生と小学生が風俗チャットでひと儲け!押入れのコンピューターから2人が覗いた<オトナの世界>とは。
尾崎世界観
綿矢りささんもずっと読んでいますね。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『蹴りたい背中』
周囲に溶け込むことが出来ない陸上部の高校1年生・初実(ハツ)と、アイドルおたくで同級生の男の子・にな川との交流を描いた青春小説。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『憤死』
自殺未遂したと噂される女友達の見舞いに行き、思わぬ恋の顛末を聞く表題作や「トイレの懺悔室」など、4つの世にも奇妙な物語。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『勝手にふるえてろ』
私には彼氏が二人いる──中学時代からの不毛な片思いの相手と、何とも思ってないのに突然告白してきた暑苦しい同期。26歳まで恋愛経験ゼロ、おたく系女子の良香は“脳内片思い”と“リアル恋愛”のふたつを同時進行中。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
【同様にこの本を紹介していた著名人】
虫眼鏡
『私をくいとめて』
黒田みつ子、もうすぐ33歳。一人で生きていくことにも抵抗はなく、悩みは脳内の分身「A」に相談。でも、いつもと違う行動をして何かが決定的に変わってしまうのが怖かった。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『晴天の迷いクジラ』
デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かう。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『平成猿蟹合戦図』
新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡で幸せな暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、いつしか日本をになう若き政治家を生む希望の物語へと転化する。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『ロカ』
著者が急逝直前まで書いていた、近未来私小説。題されている通り、未来の自分を想像して描いたものである。著者はは52歳で亡くなったが、『ロカ』の主人公は68歳の老人である。つまり、15年後の自分を描いた私小説なのである。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『青が破れる』
21世紀のボクシング小説にして、現代を象る青春小説である第53回文藝賞受賞の表題作「青が破れる」。加えて、書き下ろし短篇「脱皮ボーイ」と「読書」を収録。
尾崎世界観
タイトルと装幀がよかったから気になって、後日買って読んだらすごく面白くて。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『アンソーシャル ディスタンス』
世界を拒絶した若い男女の旅を描く表題作を初め、臨界状態の魂が高アルコール飲料で暴発する「ストロングゼロ」など、あらゆる場所でいま追い詰められている人々の叫びが響き渡る。
尾崎世界観
金原さんの言葉は音が小さい。だから、目を通して過不足なくピタリと聴こえる。演奏がうまいバンドほど、ステージの中の音が小さく整理されているのと同じように。
そのせいで、読んでいて何度も我に返る瞬間があった。そうして自分は、何かに依存する人に依存しているという事に気がつく。
いずれ自分に降りかかるかもしれない不幸が、今は他の誰かに降りかかっているという安心からどうしても目が離せない。そうしていなければ、今度はそれが自分に降りかかってきそうに思うからだ。
出所:book bang
『夏の流れ』
平凡な家庭を持つ刑務官の平穏な日常と、死を目前にした死刑囚の非日常。死刑執行日に到るまでの担当刑務官と死刑囚の心の動きを、緊迫感のある会話と硬質な文体で簡潔に綴る。
尾崎世界観
今自分は紛れもなく小説を読んでいるなと思わせてくれる小説。
出所:東京尾崎世界観書店
エッセイ
『閑な老人』
「暢気眼鏡」の作家が“閑な老人”になるまでを綴った、文庫オリジナル作品集。
尾崎世界観
もう一人の自分と出会うような、逆に今の自分と別れるような本。
出所:東京尾崎世界観書店
『サーカスの子』
子供時代をサーカスで過ごした著者が、失われた〈サーカスの時代〉を描く、私的ノンフィクション。
尾崎世界観
サーカスには、見たそばから思い出になるような、まるで思い出そのものをリアルタイムで映し出す不思議な魅力がある
出所:本の帯
『星屑物語』
お笑いコンビ「パーパー」ほしのディスコの自伝的エッセイ。
尾崎世界観
人が良過ぎて、一周回って逆に良い人。だからこの人には幸せになって欲しい。
出所:本の帯
『作家 超サバイバル術!』
「作家と新人賞」「作家とおカネ」「作家とSNS」刺激的な10のテーマから文芸界のリアルが垣間見えるエッセイ。
尾崎世界観
本書が作家デビューしているごく限られた人にしか届かないかと言われれば、そんなことはない。作家デビューしないほとんどの人にとって、書かれているのはどれも他人事だからこそ、その業界の裏側が、読み物として純粋に面白い。
出所:book bang
『深夜ポンコツ』
フラワーカンパニーズ・鈴木圭介のエッセイ集。
尾崎世界観
ライブに行きたくないぐらいに絶望していたあの頃、どうしてもフラカンを生で見たくて、なけなしのお金でチケットを取った。
出所:本の帯
『傷痕』
偉大なるスターが51歳で急逝。遺されたのは11歳の娘。色めき立つ記者や、遺族を名乗る者たち。彼女や世界は、カリスマの死をどう乗り越えるのか。
尾崎世界観
この小説を読んで、死ぬほど売れるのが怖いと思った。
出所:本の帯
『藝人春秋』
浅草キッド・水道橋博士が芸能界に飛び込んで数十年。そこで目撃した名人、怪人の濃厚すぎる生き様を描ききった。
尾崎世界観
文字のヒップポップ。踏んでも踏めない自分の影に、人を書き尽くす事で向き合ってる。
出所:本の帯
『世の中ついでに生きてたい』
落語家・古今亭志ん朝の対談集。落語の話、芸談、楽屋裏の話、家族の話、父・志ん生の話、旅の話など。
尾崎世界観
誰かの会話に聞き耳を立てているような楽しさがある。会話の中にしかない、まだ意味になりきる前の気持ちを読めることが嬉しい。
出所:Web河出「人気作家が選ぶ「これがわたしの偏愛河出文庫」ベスト・オブ・ベスト」
『持ってこなかった男』
今の時代において「売れる」とは何か、「才能」とは何かを、結果として問うことになる自伝的小説。
尾崎世界観
この事故啓発本には、努力と才能以外の全てが詰まっている。決して音楽を甘ったるくロマンチックに書かない吉田さんのまなざしが好きだ。
出所:本の帯
『廃人』
“新宿歌舞伎町”を詠むアウトロー俳人、初のエッセイ集。
尾崎世界観
どこがアウトローだ。ど真ん中じゃねーか。北大路さん、お前の言葉が沁みました。
出所:本の帯
『へらへらぼっちゃん』
「どうにかなる日々」「よのなかの道」「ああなんたるいたちごっこ!」などが収録された、町田康によるエッセイ集。
『INU COMMUNICATION』
犬が苦手と公言するASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文による、犬と仲良くなるためのエッセイ。
尾崎世界観
この本に書かれた文章の「犬」の部分すべてを「音」に置き換えても成立すると思う。犬も音も、気まぐれで凶暴で可愛い。恐る恐る手を伸ばし犬に触れる後藤さんは、やっぱりたまらなくミュージシャンだ。
出所:本の帯
『監獄ラッパー』
収監中の身でありながら日本で発売された数々の作品は、どのように制作されたのか。長い刑期のなかで彼は何を感じ、何を思ったのか。
尾崎世界観
ヘロイン密輸で捕まったオーストラリアの刑務所から日本に電話をして、留守番電話にラップを吹き込んだラッパーの手記です。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『パリの砂漠、東京の蜃気楼』
生きることの孤独と苦悩を綴った著者初のエッセイ集。
尾崎世界観
あそこまで自分のことをさらけ出しながら、それを文章として芸術にまとめあげていて。最近の金原さんはずっとコロナのことを題材にしているじゃないですか。起きた出来事をすぐ小説にする行動力がありますよね。
出所:好書好日「尾崎世界観さんが読んできた本たち」
『鍵盤に指を置くとき』
自分の意思にかかわらず、身体が動いたり声が出てしまったりする神経疾患「トゥレット症候群」。8歳で発症後、生きていくうえで様々な困難にぶつかりながらも、ピアニストとして、人間として成長していったYUSK がその人生を綴る。
尾崎世界観
トゥレットは、知れば知るほど面白い。症状に振り回される著者の葛藤を通して、感情が大きく動く。病気を面白がるなんて失礼なのかもしれないけれど、知らないよりは絶対にマシだ。
どんな不謹慎も責任を持って面白がれる。読むという行為には、そんな不思議な力がある。だからこそ、読んでトゥレットを知って欲しい。
出所:book bang
マンガ
『電話・睡眠・音楽』
ひとり暮らしの女性の日常と東京の夜景を通して現代の時間の流れを切り取った表題作ほか、「龍神抄」「赤塚藤雄の頃」「妻の遺骨」「輪唱」など、新時代のリアリズムを切り拓く短編集。
尾崎世界観
装丁とタイトルの静けさに惹かれて読みました。淡々としているけれど、決して声が小さいわけじゃない。他人の家の晩ご飯のにおいを嗅いでるような、あったかくて寂しい気持ちになります。
どの話もしっかりソーシャルディスタンスを保っていて、不思議な距離感で伝わってきます。
どんなに深く突きつめても、結局ただの良いか悪いかでしかない。作品に触れてから少しずつ細部を忘れていって、最後には全部忘れて、ただ良かったという感情だけを覚えている。それで良いし、これはそんな作品だと思います
出所:CREA「クリープハイプ・尾崎世界観がおこもり中に読んだ本&マンガ3冊は?」
『ぼくらのフンカ祭』
過疎の町、金松町は火山の噴火一発で温泉街へと生まれ変わる。この劇的な変化を受け入れられないクールな富山と、変化にノリノリな桜島の2人の高校生の物語。
尾崎世界観
ぼくらのフンカ祭最高だった。 夜中に部屋で1人涙ぐむオッサン。割れながら気持ち悪い。 あぁ良い漫画だなぁ。
出所:Twitter
『Sunny』
なんらかの理由で親と一緒に暮らすことができなくなった子が預けられる、星の子学園。少年少女たちは、星の子学園の仲間らと寄り添い、親と一緒に暮らせないさびしさを抱えながら日々を過ごしていく。
尾崎世界観
素晴らしい。 なんだこれ。 今1番好きな漫画だ。
出所:Twitter
『恋と罰』
塾講師の百合子、 ラーメン屋店員の順、高校生の文人、 妻であり母である加代。盲目な恋が引き起こす衝撃ストーリー。
尾崎世界観
最初から最後まで、指を突っ込んで吐き出した気持ちが書いてあった
出所:本の帯
『本の虫 ミミズクくん』
過剰に本好きな祖父のスパルタ指導のもと、主人公が古今の名作文学と出会い、小さく大きな日々の困難を乗り越えていく姿を描いている。
尾崎世界観
「コラ! 本ばかり読んでないでちゃんと漫画も読みなさい」子供の頃に夢見た、親からの理想の小言を現実にしてくれそうなこの漫画が大好きです
出所:SHOGAKUKAN COMIC「尾崎世界観氏も推薦!『本の虫 ミミズクくん』1集発売!!」
日記
『言わなければよかったのに日記』
小説『楢山節考』で異色の文壇デビューを果たした著者が、正宗白鳥、武田泰淳、井伏鱒二ら、畏敬する作家たちとの奇妙でおかしな交流を綴る抱腹絶倒の文壇登場日記。
尾崎世界観
自分の事を投げ出して、どうせ他人事だと思いながら読みたい本。
出所:東京尾崎世界観書店
『一私小説書きの日乗』
2011年3月から2012年5月までを綴った、平成無頼の私小説家・西村賢太の虚飾無き日々の記録。
尾崎世界観
誰かの一日を通して、それを見ている自分の一日まで愛しくなる本。
出所:東京尾崎世界観書店
『続・酒中日記』
好きに飲んで、好きに生きる。文壇のみならず、演劇、歌舞伎、相撲などなど。四年半の出会いと酩酊の軌跡を書き尽くす。
尾崎世界観
書くのも楽しいけれど、読むのはもっと楽しい。だから日記が好きです。明日はライブだ。明日はレコーディングだ。そうやって酒を我慢しなければいけない日がたまにあって、そんな時にこの本を読んでいると、こうして今もどこかで誰かが飲んでいるということになぜかすこし励まされます。
誰かに会って、話をして、食って、飲む。それを読んでいるだけなのに、なぜこんなにも楽しい気持ちになるんだろう。人と会って話す気苦労や、食べ過ぎ飲み過ぎに対する後ろめたさ、そういった自分の気持ちを代行してくれるよう。一日でも早く、こんな風に気兼ねなく人と会って、思う存分酒を飲みたいです
出所:CREA「クリープハイプ・尾崎世界観がおこもり中に読んだ本&マンガ3冊は?」
歌集・詩集
『きみを嫌いな奴はクズだよ』
「ダンボール一箱分を配り終え通行人に興味をなくす」「あの虹を無視したら撃てあの虹に立ち止まったら撃つなゴジラを」。1988年生まれの歌人・木下龍也による短歌集。
尾崎世界観
この歌集は余白ばかりで、言葉が寂しそうだ。それならいっそ俺に下さい。曲を付けて音楽にしてしまいたい。それ程に素晴らしい。
出所:本の帯
『愛の詩集』
詩人・谷郁雄と、写真家・市橋織江によるコラボレーション詩集。普段はあまり意識することのない「愛」についての34篇。
尾崎世界観
谷さんの詩は大切で当たり前な言葉で、母親の小言みたいで、そんな事わかってるよって思って、母親に電話したくなる。結局最後はそんな事わかってるよって言って電話を切るんだけど。
出所:本の帯
『歌集 海蛇と珊瑚』
史上初、全選考委員が最高得点票を投じて角川短歌賞を受賞した、著者が放つ第1歌集。
尾崎世界観
研ぎ澄まされた言葉で心が切れるけれど、なぜだか血は出てなくて、不思議だなと思う本。
出所:東京尾崎世界観書店
その他
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
『嫌われる勇気』の著者が書いた文章術についての本。「話し言葉から書き言葉へ」のノウハウと哲学が詰まっている。
尾崎世界観
知人に勧められて読んだ作品。結構影響は受けてると思います。いまだにここに書かれていた書き方していると思います。自分の伝えたいことが伝わるなっていうのを、自分で読みながらさらに実感していく。
【同様にこの本を紹介していた著名人】
マナブ
『死にカタログ』
「死ぬってなに?」素朴な疑問を、絵で考えた新しい「死の本」。
尾崎世界観
この本を読んで、死が形で入ってくるというか、図で入ってくる。目で確かめることができて少し楽になった。
『誰にも相談できません』
「毎日新聞」人生相談の人気回答者の著者が、人に言えない悩みにそっと寄り添い、耳をかたむけ、真摯なことばで向き合った。「中絶した経験と向き合えず」「夫のすべてに悪寒が走る」など、話題になった名回答100選を収録。
尾崎世界観
人の悩み見て、我が悩み直したくなる本。
出所:東京尾崎世界観書店
『おれに聞くの?』
愛、文学、人間関係。視点が反転するような回答が、悩みを雲散霧消させる芥川賞作家による異色の人生相談。
尾崎世界観
悩みへの回答がとてもやわらかい。寄り添うでも突き放すでもなく、ぐにゃぐにゃした言葉や考えを使い、相談者の悩みを一つ一つ分解する。
そうして悩みからパーツを取り外していって、一体最後に何が残るか。何も残らなかったらさぞ恥ずかしいだろうなと思う。救われるより試される、ちょっと怖い悩み相談だ。
そして、相談者の真正面に立って答えているというより、相談者の真後ろに立って答えている感じがしてハッとする。相談者を気持ちよくさせる言葉はいくらでもあるけれど、決してそうならない。
出所:book bang
『口訳 古事記』
日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる、町田康の新たな代表作。イザナキとイザナミによる「国生み」と黄泉国行、日の神アマテラスの「天の岩屋」、ひきこもりと追放された乱暴者スサノオのヤマタノオロチ退治、何度も殺されては甦ったオオクニヌシの国作り。
尾崎世界観
現存する日本最古の書物を身近で親しみやすくまとめた本作は、まさにそんな「町田節」が効きまくった1冊だ。
出所:book bang
『「人気No.1」にダマされないための本』
賢い消費者、データに強いビジネスパーソンであるために、ずさんなデータに隠されたからくりを紐解いていく。
尾崎世界観
天気のように、自分がその時どこにいるかによって、情報はいくらでも形を変える。北海道は晴れていても、九州では大雨が降っているかもしれない。
必要なのは、自分が今どこにいるのかを正確に把握し、ちゃんと疑いの目を向けること。そして、情報にもご自宅用とプレゼント用があり、何かを人に勧める時つい綺麗に包装してしまいがちだ。
出所:book bang
『DRINK』
「飲み物」にまつわる噂や効果を、健康問題の専門家である著者がエビデンスをもとに徹底解説。
尾崎世界観
ありとあらゆる飲み物について書かれた本書を読めば、飲むのが怖くなる。
私たちがいかに謎多きものを飲んでいるかを浮き彫りにしながら、「証拠はない」「確証はない」「データはない」「科学的根拠はない」「まだまだ多くの調査が必要だ」と、せっかく得た情報が知識になる前にこぼれぬよう、しっかり疑いを向けることも必要だと教えてくれる。
出所:book bang
『「狂い」の調教』
2020年以降、「世の中は狂ってしまったのか?」と思わされるような事件・事象が頻発した。しかし、疫病、戦争、暗殺などは長い人類の歴史を考えれば、「平常運転」なのかもしれない。果たして、世の中は狂ってしまったのか、否か。
尾崎世界観
本書のテーマでもある「違和感」は、個人の中からそれぞれ発せられる懐中電灯の光だ。なんでもすぐに論破してしまうのは勿体ない。
正しい答えが出たとしても、その違和感の素は消えずに残るはずだから。そうして、何かに引っかかる違和感を持ち続けることの大切さを、本書は教えてくれる。
出所:book bang
『悪意の科学』
人間の心の闇にひそむ悪意は、なぜ進化し社会を動かしているのか?悪意の起源から驚きの効用まで、人間観をくつがえす傑作。
尾崎世界観
ネット炎上に対する誹謗中傷をはじめ、人は誰かを罰したくてしょうがない。「人間の脳は正義を行使するチャンスを見つけると、コカインを摂取するチャンスを与えられたときと同じように反応する」と知り、そのことに合点がいった。
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『子どもの言いごと』
子どもらの元気な声がこだまする、各地の素朴で楽しい伝承唄を集める。
尾崎世界観
サブスクやTikTokの普及により、ここ数年やたらと〈一億回再生突破〉という言葉を目や耳にするようになった。これのせいで、「再生」という言葉をどこか薄っぺらく感じてしまう。本書のページをめくりながら一つ一つ唄を読んでいると、止まっていた何かがまた動き出すように、「再生」という言葉の重みがじんわり蘇ってくる。
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『山本由伸 常識を変える投球術』
身長178センチ、体重80キロとプロとしては肉体的に恵まれていない山本が、どうしてここまでの成長を遂げたのか。野球に精通したライターが徹底解読する。
尾崎世界観
自分の体のオーナーとして、無駄なく隅々まで使いこなす企業努力を決して惜しまない。その結果、あれだけの球を投げられる。(中略)
本書を読めば、ただ外から与えられたものを中に取り込むのではなく、自分に合ったものをしっかり内側から構築し、それを外に出すことがいかに大事かわかる。
出所:book bang