小説
『生命式』
死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作「生命式」のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。
若林正恭
常識の外に連れ出されて、本質を突きつけられました。
出所:本の帯
『かなしみの向こう側』
「ザ・ギース」のコントのような小説や、まだ見たことのない新境地が感じられる小説など、著者の異才が光る珠玉の短編小説。
若林正恭
何気ない日常に油断していると、いつの間にか非日常の世界に連れ去られている。高佐くんの上品な狂気が丁寧に紡がれていました。
出所:本の帯
『教団X』
絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。
若林正恭
光と闇、神と自分、宇宙と原子、善と悪。その隙間にずっと求めていた答えが確かにありました。
出所:本の帯
『ある男』
愛したはずの夫は、まったくの別人であった。『マチネの終わりに』の平野啓一郎による、傑作長編。
若林正恭
「ある男」になりたいと願うことが、ぼくにもある。
出所:本の帯
『森に眠る魚』
東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。あの子さえいなければ。現代に生きる母親たちの深い孤独と痛みを描いた母子小説。
若林正恭
私たちの狂気が、この物語の5人のママ友に集約されている
出所:Twitter
『コンビニ人間』
36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいる時のみ世界の歯車になれる―。
出所:「アメトーーク」読書芸人で紹介された本を読んでみよう
【同様にこの本を紹介していた著名人】
光浦靖子
『マチネの終わりに』
天才ギタリストの蒔野と通信社記者の洋子。深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか―。
【同様にこの本を紹介していた著名人】
石田ゆり子
『服従』
テロと移民にあえぐ国家を舞台に個人と自由の果てを描き、世界の激動を予言する傑作長篇。
『美しい距離』
がん患者が最期まで社会人でいられるのかを問う、新しい病院小説。
『何者』
就活対策のため、拓人は同居人の光太郎や留学帰りの瑞月、理香らと集まるようになるが——。衝撃のラストが襲いかかる戦後最年少の直木賞受賞作。
『何様』
直木賞を受賞した朝井リョウの代表作『何者』のアナザーストーリー短編集。就活の先にある人生の発見と考察を描く。
若林正恭
滑稽でみっともない彼らを、絶対に笑わない。
出所:本の帯
『正欲』
息子が不登校になった検事。初めての恋に気づく女子大生。ひとつの秘密を抱える契約社員。ある人の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代” にとって、ひどく不都合なものだった。
若林正恭
この作品がどのように今の世の中を転がっていくのかをしっかり見届けたいと思わされた一冊でした。
多様性という言葉が溢れていることへの言語化できない妙な心の引っかかりを自分もろとも貫かれてダメージを食らいました。無遠慮にお勧めすることが憚られる大傑作だと思います。
出所:Instagram
『武蔵無常』
勝って、いかになる。殺して、いかになる——それでも武蔵は巌流島へ渡る。己の弱さと闘い、迷いと悔いに揺らぐ殺人剣の神髄に迫る。
若林正恭
己をかわすのか、断ち切るのか。それとも超えるのか。その行く末を自分のものにするために、僕も霊魂となって巌流島に渡りました。
出所:本の帯
『オレンジ・アンド・タール』
友人の自殺をきっかけに歪みはじめた高校生たちのリアリティ。
若林正恭
ほくにとって『オレンジ・アンド・タール』は単なる小説では無い。
出所:本の帯
『世阿弥最後の花』
観世流として現代に受け継がれている世阿弥の能。室町の都を幽玄の美で瞠目させた天才が最晩年に到達した至高の舞と、そこに秘められた謎に迫る。
若林正恭
人にも言えることだけど、出会いの縁とタイミングというものは本にもある。今この本を読み終わりまして俺の心のもやは晴れ渡りました。
出所:Instagram
『ブエノスアイレス午前零時』
旅館従業員と盲目の老女の交流を描く名作。
若林正恭
藤沢作品は『ブエノスアイレス午前零時』から読んでいる
『燃えよ剣』
俺は今日から武士になる―。佐幕派と倒幕派が対立する幕末の激動期。武州多摩のバラガキだった土方歳三は、近藤勇、沖田総司らとともに、幕府徴募の浪士組にまじって、京へ向かう。
『芸人交換日記』
架空の芸人コンビ、イエローハーツの二人が、男同志なのに交換日記を始めて本音をぶつけあう。
若林正恭
売れない若手芸人の日常をこんなにリアルに描いた小説をぼくは今まで読んだことがなかった。
自分の経験と酷似していて読みながら色々なことを思い出して最後の方は嗚咽でなかなか読み進められない程だった。
出所:若林正恭『社会人大学人見知り学部卒業見込』
『ドーン』
人類初の火星探査に成功し、一躍英雄となった宇宙飛行士・佐野明日人。しかし、闇に葬られたはずの火星での“出来事”がアメリカ大統領選挙を揺るがすスキャンダルに。
若林正恭
「ディヴ(分人)」という言葉が出てきてとても興味を引かれた。
恋人といる時の自分、会社での自分、両親の前での自分と、人には様々な自分がいて、その分けられた一つ一つの自分のことをディブ(分人)とよんでいた。
出所:若林正恭『社会人大学人見知り学部卒業見込』
『限りなく透明に近いブルー』
米軍基地周辺のアパートで暮らす、主人公のリュウ。アパートの住人がクスリ、セックス、暴力、兵士との交流などに明け暮れ生活している。
リュウは仲間達の行為を客観的に見続け、彼らはハウスを中心にただただ荒廃していく。
出所:若林正恭『社会人大学人見知り学部卒業見込』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
虫眼鏡
『村上龍映画小説集』
1970年代のほろ苦い青春を描く短編連作集。
『ライン』
半殺しにされたSM嬢、男の暴力から逃れられない看護婦、IQ170のウエイター、恋人を殺したキャリアウーマン。男女の性とプライドとトラウマが、次々に現代日本の光と闇に溶けていく。
若林正恭
すごく好きな作品です。
出所:若林正恭(編)『ご本、出しときますね?』
『夢を与える』
チャイルドモデルだった美しい少女・夕子。彼女は、母の念願通り大手事務所に入り、ついにブレイクするのだが——夕子の栄光と失墜の果てを描く。
『サラバ!』
圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。
【同様にこの本を紹介していた著名人】
光浦靖子
『すべて真夜中の恋人たち』
わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする。
エッセイ
『無趣味のすすめ』
国には希望はない。社会が成熟したからだ。この大不況下のサバイバルは簡単ではない。ビジネスのコツや秘訣ではなく、隠蔽された事実を伝え、ゴールではなくスタートラインをしめす。
若林正恭
ぼくは無趣味コンプレックスから救われるかもしれない。という期待と共にページをめくり特効薬となる文章に出会った。
出所:若林正恭『社会人大学人見知り学部卒業見込』
『暇と退屈の倫理学』
なぜ人は退屈するのか。本書では人が退屈する事実とその現象を考究した旧稿から一歩進め、退屈そのものの発生根拠や存在理由が追究される。
若林正恭
まさか、哲学書で涙するとは思いませんでした…
出所:本の帯
【同様にこの本を紹介していた著名人】
けんすう
『私とは何か』
嫌いな自分を肯定するには?自分らしさはどう生まれるのか?他者との距離をいかに取るか?恋愛・職場・家族——人間関係に悩むすべての人へ。
『強く生きる言葉』
岡本太郎が普段の生活の中で動きまわりながら、ふっと洩らす言葉。その中から彼の独特の哲学、人生論というべきものを集める。
『教養としてのプロレス』
著者が30年以上に及ぶプロレス観戦から学びとった、人生を歩むための教養。
『激変』
人生で一番激しく変化した、上田晋也の10年間を綴ったエッセイ。
若林正恭
こんなに笑いながら読んだ本は他にないです
出所:Instagram
『天才はあきらめた』
嫉妬の化け物・南海キャンディーズ山里は、どんなに悔しいことがあっても、それをガソリンにして今日も爆走する。コンビ不仲という暗黒時代を乗り越え再挑戦したM-1グランプリ。そして単独ライブ。その舞台でようやく見つけた景色とは——。
若林正恭
あの実力があって慕われていないとなると、よっぽど人望がないのだろう
出所:本の帯
『すらすら読める風姿花伝』
読みにくいと敬遠されがちな古典がこんなに分かりやすく、面白く「すらすら読める」。人生論としても読める世阿弥による至高の芸能論。
若林正恭
過去の経験が呼び起こされて輪郭が明瞭になる読書体験はとても痺れるものでした。他にも読んでいて目から鱗が落ちたり、膝を打ったりしながらもあっという間に読了しました。
「この本を十年前に読んでいたらな」と悔しい気持ちになりましたが、十年前に読んでいても理解できなかったと思います。いい本を読んだ時の読書あるあるですね。
そして、今も理解できていない箇所はきっとたくさんあるんだと思います。これからも、数年おきに何度も読んでみたい本に出会えてとても嬉しかったです。
出所:Instagram