エッセイ
『君たちはどう生きるか』
貧困、いじめ、勇気、学問—。今も昔も変わらないテーマに、人間としてどう向き合うべきか。
宮崎駿
『君たちはどう生きるか』の中には、どういうふうに時代に変えていったらいいのかってことは書いていない。だけど、どんな困難な時代とか酷い時代にも「人間でいろ」っていうメッセージはあったと思っています。
出所:『折り返し点 1997〜2008』
『夜と霧』
「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本書は、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれ、現在にいたっている。
宮崎駿
非常に感動的な本で、不思議なことに、地獄を書いたことによって、読んでて希望がもてる、へんないい方ですが、そういう本でした。
出所:『折り返し点 1997〜2008』
【同様にこの本を紹介していた著名人】
糸井重里、上白石萌音、宇垣美里
『路上の人』
時は13世紀前半。語り手ヨナが、下層から観察した中世の支配層の群像、考え方や行動、事件を描く。
宮崎駿
堀田さんは海原に屹立している巌のような方だった。潮に流されて自分の位置が判らなくなった時、ぼくは何度も堀田さんにたすけられた。
出所:『路上の人』の帯
『堀田善衛を読む』
堀田が描いた乱世の時代と、そこに込めた思いは、混迷を極める現代社会を生きる上での「羅針盤」として、今なお輝きを放つ。堀田作品は、第一線で活躍する創作者たちにも多大な影響を与え続けている。
宮崎駿
お前の映画は何に影響されたのかと言われたら、堀田善衛と答えるしかありません
出所:『堀田善衛を読む』の帯
『語り継ぐこの国のかたち』
無謀な戦争へと至るあやまちの系譜。明治から現代につづく激動の時代を、ひたむきに生き抜いた人々のすがた。歴史のなかに残された、未来への手がかりをさぐる。
宮崎駿
この国は、どうなっていくのでしょう。ぼくは、半藤さんが大スキなので、心配がとてもよく判ります
出所:『語り継ぐこの国のかたち』の帯
『アニメーション、折りにふれて』
巨匠の人間像に幅広く迫る生前最後のエッセイ集。
宮崎駿
パクさんの教養は圧倒的だった。ぼくは得がたい人にめぐり会えたのだとうれしかった。
出所:『アニメーション、折りにふれて』の帯
『子どもはみんな問題児。』
『ぐりとぐら』の生みの親が贈る、心がほぐれる45のメッセージ。
宮崎駿
この本こそ子育て中の新米ママの味方だと思いました
出所:『子どもはみんな問題児。』の帯
小説
『肩胛骨は翼のなごり』
引っ越してきたばかりの家。古びたガレージの暗い陰で、ぼくは彼をみつけた。ほこりまみれでやせおとろえ、髪や肩にはアオバエの死骸が散らばっている。アスピリンやテイクアウトの中華料理、虫の死骸を食べ、ブラウンエールを飲む。誰も知らない不可思議な存在。
宮崎駿
心ふるえる、初々しい思春期をふしぎな男との出会いを通して描いている。妙にねじれず素直な描写、心あらわれる結末。ぼくは大スキです。おすすめ。
出所:『肩胛骨は翼のなごり』の帯
『クラバート』
クラバートが足を踏み入れた水車場は、暗く多くの秘密を抱えた場所だ。新月の夜に現われる大親分の存在や復活祭の決まりごと。毎年の大晦日には仲間のひとりが犠牲となるなど、常に死の影がつきまとう。
宮崎駿
いい本です。自信をもっておすすめできます。
出所:『クラバート』の帯
『神去なあなあ日常』
平野勇気、18歳。高校を出たらフリーターで食っていこうと思っていた。でもなぜか三重県の林業の現場に放り込まれてしまい—。
宮崎駿
これはいいぞ、なんとかなりそうとまたまたアニメ化をあれこれ考えはじめ、でもやっぱり実写かなぁ、だとすると自分には出来ないナァとか逆もどりし、満足しつつ読みおえました。
出所:『神去なあなあ日常』の帯
絵本
『たからさがし』
ゆうじが部屋で遊んでいると、ネコがやってきて役割をとりかえっこしようというので、ゆうじはチョッキとネコのしっぽを交換して、ねことらになりました。
宮崎駿
たくさん好きな絵本があって、一冊だけ選ぶというのはとても難しいですね。でも、子どもと読んでひどく愉快だなって思ったのは、『たからさがし』です。
出所:『折り返し点 1997〜2008』